2013/05/16 17:14
中古品の取引業をインターネットで行う場合は古物商許可が必要です
家具や書籍などの中古品をインターネットで購入したことはないでしょうか? こういった購入ニーズの高まりがあり、IT系の企業などで中古品の取引サイトを作ることが増えています。しかし、インターネットによる中古品の取引についても、実店舗における中古品の取引と同様に「古物商の許可」を取得することが必要です。
1.古物商とは
中古品の取引を規制する法律を「古物営業法」といい、古物営業法ではいわゆる中古品のことを「古物」といいます。古物営業法は取引される古物の中に窃盗の被害品等が混在するおそれがあることから、盗品等の売買の防止、被害品の早期発見により窃盗その他の犯罪を防止し、被害を迅速に回復することを目的としています。
古物の取引を行うためには古物営業法による「古物商の許可」(古物営業許可)を取得する必要があります。
古物営業法における「古物」とは一度使用された物品、新品でも使用のために取引された物品、又はこれらのものに 幾分の手入れをした物品をいいいます。古物は次の13品目に分類されています(何らかの「物品」である以上、原則としていずれかの分類に当てはまります)。
(1)美術品類
(2)衣類
(3)時計・宝飾品類
(4)自動車(その部品を含みます)
(5)自動二輪車及び原動機付自転車(その部品を含みます)
(6)自転車類(その部品を含みます)
(7)写真機類
(8)事務機器類(パソコン、コピー機、ファックスを含みます)
(9)機械工具類(工作機械、土木機械、医療機器類、
家庭電化製品、家庭用ゲーム機、
電話機を含みます)
(10)道具類(家具、楽器、運動用具、CD・DVD・ゲームソフト、
玩具類、トレーディングカード、日用雑貨などです)
(11)皮革・ゴム製品類
(12)書籍
(13)金券類
なお、古物に該当しないものとしては、庭石、石灯籠、空き箱、空き缶類、金属原材料、被覆のない古銅線類などがあります。
古物営業法における「古物商」とは、古物の売買、交換、委託を受けて売買、委託を受けて交換を行う営業のことです。 また、インターネットオークションサイトの運営者は「古物競りあっせん業者」となります。
2.要件(証明資料)
古物商許可の取得のためには人的要件が定められています。たとえば、成年被後見人、被保佐人または破産者で復権を得ない者、罪種を問わず禁錮以上の刑に処せられ、刑の執行が終わってから5年を経過しない者、営業について成年者と同一能力を有しない未成年者(婚姻していない未成年者)などは人的要件を満たしません。
この人的要件は、個人であれば事業主と古物営業の管理者、法人(会社)であれば役員(取締役だけでなく監査役を含みます)と古物営業の管理者のすべてについて満たしていなくてはなりません。
上記の人的要件を証明するために、住民票(本籍記載が必要)、登記されていないことの証明書(法務局発行)、身分証明書(本籍地を管轄する市区町村発行)、誓約書などが必要になります。
このほか、インターネットによる古物の取引にてサイトを設置する場合は URLを届け出る必要があります。証明資料として、プロバイダ等からの資料のコピーを提出します。 たとえば、プロバイダ等から交付されたURLの割り当てを受けた通知書等のコピー、またはインターネットで「ドメイン検索」、「WHOIS検索」を実施し、検索結果の画面をプリントアウトしたものなどがこれに当たります。
3.手続(管轄、期間等)
古物商許可の申請手続きですが、古物の営業所を管轄する警察署にて行います。
担当は生活安全課(窃盗事件などを扱う部署)です。この申請手続きの際に、警察署に手数料19,000円を支払います。許可証の発行ですが、申請手続きを行ってから(申請書が受理されてから)40日以内とされています(警察署によってはもう少し早く発行されます)。
4.注意点
注意点は下記のとおりになります。
(1)申請手続きですが警察署まで出向く必要があります。また、許可証が発行された場合も同様です。
(2)担当は生活安全課の刑事であることが多いようです。捜査にて警察署にいない場合がありますので、事前に電話をかけて、申請手続きの予約をしておく必要があります。
(3)インターネットによる古物の取引は「特定商取引に関する法律」の規制を受けます。特定商取引法所定の表示が必要になります。
手続に手間をかけたくない、あるいは迅速に古物商の許可が取得したい場合は、行政書士までご依頼ください。
茂木正光行政書士司法書士事務所 所長 茂木正光
http://www.motoffice.jp/
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