就労ビザ/外国人新卒採用/日本の大学を卒業した留学生が一般的なサービス業務や製造業務に就職できるようになりました

【日本の大学を卒業した留学生が一般的なサービス業務や製造業務に就職できるようになりました】

日本の大学または大学院を卒業した外国人留学生の日本企業への就職希望は増加傾向にあります。また、日本企業の人手不足もあり、政府は日本の大学または大学院を卒業した外国人留学生の日本企業の就職を増やす戦略を示しています。

日本の大学または大学院を卒業した外国人留学生が日本企業に就職するためには、在留資格を「留学」から「技術・人文知識・国際業務」(いわゆる就労ビザ)などに変更する必要があります。出入国在留管理局に在留資格変更許可申請手続きを行うことになります。平成29年の左記の許可数は22,419人でした。前年の許可数に比して2,984人(15.4%)増加しました。なお、国籍・地域別の許可数の上位5ヵ国は、(1)中国10,326人、(2)ベトナム4,633人、(3)ネパール2,026人、(4)韓国1,487人、(5)台湾810人で、アジア諸国が全体の95.5%を占めています。

しかしながら、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の変更許可を得るためには専門性のある業務に就くことが必要となります。この専門性が認められるためには、大学または大学院での専攻と就職先の業務との関連性が求められます。

そこで、出入国在留管理庁は、本年5月、「留学生の就職支援に係る「特定活動」(本邦大学卒業者)についてのガイドライン」を示しました。これは、日本の大学または大学院を卒業・修了した外国人留学生の就職支援を目的として、日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務を含む幅広い業務に従事することを希望する場合は、在留資格「特定活動」による入国・在留を認めるとするものです。たとえば、飲食店に採用され、店舗において外国人客に対する通訳を兼ねた接客業務を行うのであれば、それに併せて、日本人に対する接客を行うことも認めるということになります(厨房での皿洗いや清掃にのみ従事することは認められません)。

言い換えると、日本の大学または大学院を卒業した外国人留学生が日本企業などにおいて、日本の大学または大学院において修得した広い知識、応用的能力等のほか、留学生としての経験を通じて得た高い日本語能力を活用することを要件として、幅広い業務に従事する活動を認めるということです。「技術・人文知識・国際業務」の在留資格においては、一般的なサービス業務や製造業務などが主たる活動となるものは認められませんが、本制度においてはこれらの活動も可能となります。

対象者としては、日本の大学を卒業または大学院の課程を修了し、学位を授与され、かつ、高い日本語能力を有する者が対象となります。①日本の4年制大学の卒業及び大学院の修了に限られます。短期大学及び専修学校の卒業並びに外国の大学の卒業及び大学院の修了は対象になりません。合わせて、②日本語能力試験N1またはBJTビジネス日本語能力テストで480点以上を有する者が対象です(なお、大学または大学院において「日本語」を専攻して大学を卒業した方については、②の要件を満たすものとして取り扱います)。単に雇用主等からの作業指示を理解し、自らの作業を行うだけの受動的な業務では足りず、「翻訳・通訳」の要素のある業務や、自ら第三者へ働きかける際に必要となる日本語能力が求められ、他者との双方向のコミュニケーションを要する業務である必要があります。また、従事しようとする業務内容に「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の対象となる学術上の素養等を背景とする一定水準以上の業務が含まれていること、または、今後当該業務に従事することが見込まれる必要があります。

ガイドラインが示す具体例として、下記もあります。
・工場のラインにおいて、日本人従業員から受けた作業指示を技能実習生や他の外国人従業員に対し外国語で伝達・指導しつつ、自らもラインに入って業務を行うもの(ラインで指示された作業にのみ従事することは認められません)。
・小売店において、仕入れや商品企画等と併せ、通訳を兼ねた外国人客に対する接客販売業務を行いつつ、日本人に対する接客販売業務を行うもの(商品の陳列や店舗の清掃にのみ従事することは認められません)。
・ホテルや旅館において、翻訳業務を兼ねた外国語によるホームページの開設、更新作業を行うものや、外国人客への通訳(案内)、他の外国人従業員への指導を兼ねたベルスタッフやドアマンとして接客を行ういつつ、日本人に対する接客を行うもの(客室の清掃にのみ従事することは認められません)。

注意点としては、日本人が従事する場合における報酬と同等額以上の報酬を受けることが許可の要件になっています。

すなわち、いろいろ要件はありますが、日本の生活に慣れ、日本で就職してみたいと考える、日本の大学または大学院を卒業した外国人留学生の日本企業への就職の機会が増えたということができそうです。

※ 日本の大学を卒業した留学生の一般的なサービス業務や製造業務への就職については下記までお問合せいただければと存じます。

執筆: 行政書士/司法書士 茂木正光
http://www.motoffice.jp/